メンズ医療脱毛では3回・5回・6回などのコースが設けられており、3回コースは初めて医療脱毛を受ける方などに向けて設定されているのが通例です。
実際のところ、3回ではある程度の減毛が実現できるだけで、脱毛が完了しない(つるつるにならない)ケースが多いようです。
今回は、アンケート調査をもとに医療脱毛3回分の効果や脱毛完了までの回数を検証し、3回では脱毛が終わらない理由や施術回数を減らす方法について解説します。
【メンズ脱毛アンケート調査】3回で終わらない人がほとんど?
2023年10月に、脱毛経験(医療脱毛またはエステ脱毛の経験)がある男性100名を対象としたWebアンケート調査を実施しました。
それをもとに、施術回数と脱毛効果の関係を見ていきましょう。
つるつるに脱毛するのにかかった回数|3回以内でつるつるになるのは少数
つるつる(ほぼ完全な無毛状態)になるまでにかかった回数は以下の通りです。
ひげ | VIO | 全身(ひげ・VIO除く) | |
3回未満 | 8% | 0% | 0% |
3~4回 | 23% | 33% | 0% |
5回 | 15% | 0% | 40% |
6~8回 | 38% | 33% | 40% |
それ以上 | 15% | 33% | 20% |
「全身」をつるつつにするのは3回では無理なようです。「ひげ」「VIO」でも3回でつるつるになる人は少数派で、多くても2~3割程度でしょう。
つるつるにしたければ、5回~8回程度は照射が必要になる人が多く、それ以上の回数が必要になる人も少なくありません(とくに「VIO」の脱毛)。
しっかりと減毛を感じられた回数|3回でしっかり減毛できた人も多くない
しっかりと減毛が感じられ、自己処理の回数が減るくらいの効果が得られるまでにかかった回数は、以下の通りです。
ひげ | VIO | 全身(ひげ・VIO除く) | |
3回未満 | 1% | 0% | 0% |
3~4回 | 22% | 43% | 14% |
5回 | 31% | 14% | 14% |
6~8回 | 14% | 14% | 57% |
それ以上 | 14% | 29% | 14% |
3回で十分な減毛効果が感じられた人は、「ひげ」「VIO」ではよくて3割程度、「全身」では1割くらいでしょう。
減毛を少し感じた回数|多くの人が3回までに効果を実感
少し毛が減ったのを実感した回数は以下の通りです。どの部位でも、多くの人が3~4回までに減毛効果を感じ始めているようです。
ひげ | VIO | 全身(ひげ・VIO除く) | |
3回未満 | 64% | 29% | 67% |
3~4回 | 7% | 57% | 33% |
5回 | 14% | 0% | 0% |
6~8回 | 7% | 0% | 0% |
それ以上 | 7% | 14% | 0% |
効果を感じられなかった回数|医療脱毛では1回で効果を実感
効果が感じられず、ほぼ変化がなかった回数は以下の通りです。
ひげ | VIO | 全身(ひげ・VIO除く) | |
3回未満 | 50% | 0% | 100% |
3~4回 | 0% | 0% | 0% |
5回 | 0% | 0% | 0% |
6~8回 | 25% | 0% | 0% |
それ以上 | 25% | 14% | 0% |
「ひげ」「全身」では、1回では何の効果も得られなかった人がいます。「ひげ」の場合、6~8回やそれ以上の回数を受けないと効果が得られなかったという人もいます。
実は、これらはみなエステ脱毛を受けた人たちです。そのうちの多くが、脱毛を途中でやめてしまったものと思われます。
医療脱毛に限ると、全員が1回で何らかの効果を実感しています。
エステ脱毛の効果は限定的で、効果が現れないこともある
脱毛機の種類別に見た結果は以下の通りです。

施術を受けたがほぼ変化がなかった」という経験がある人はみな、エステ脱毛か「どちらかよくわからない」方法で脱毛を受けています。おそらくは全員がエステ脱毛だと思われます。
毛を生えてこなくさせるには、毛の源である「毛包」の細胞を破壊する必要がありますが、細胞を破壊するような施術を行うことが許されているのは医師だけです。エステでは細胞を破壊する施術は行えないので、毛を生えてこなくさせるという意味での脱毛(永久脱毛)はできません。
エステでも医療脱毛と同じようなレーザー脱毛機を用いて施術をしますが、レーザーの出力を落として、細胞が破壊されない程度の強さにして照射します。その結果、毛包の細胞がショックをうけて一時的に毛が抜け落ちますが、しばらくするとまた生えてきます。
エステ脱毛でも自己処理にくらべれば多少長い期間生えてこなくさせることが可能なので、「しっかりと減毛効果を感じることができた」「減毛を少し感じた」と回答する人がいるのはうなずけます。
一方、エステ脱毛では「つるつる」状態をほんの短期間しか維持できないので、「つるつるになった」という実感を持つ人はまれで、アンケート結果にもそれが現れています。
メンズ医療脱毛が3回で終わらないワケ
3回の施術で十分な効果が得られないのは、医療脱毛の限界で、仕方ない部分があります。医療脱毛の受け方によっても、脱毛効果は変わってきます。
毛周期とレーザー出力の関係で、つるつるにするには最低5回は必要
医療脱毛では、毛が生えている部位にレーザーを照射し、毛から毛包に熱を伝えて毛包の細胞を破壊します。毛が生えていない部位では毛包にレーザーのエネルギーが伝わらないので、脱毛効果が得られません。
毛には毛周期というものがあり、生えたり抜けたりを周期的に繰り返しています。
毛が生えている毛包は全体の8~9割と言われ、残りの1~2割の毛包は次の毛が生えてくるまで無毛状態となっています。無毛状態の毛包にはレーザーが効きません。
また、レーザーの出力(照射する光のエネルギー)を上げれば簡単に毛包を破壊できますが、出力が強いと周囲の組織も損傷され、皮膚にやけどが生じてしまいます。やけどにはいたらなくても、がまんできないほど痛みが強くなることがあります。
そのため、ある程度レーザーの出力を弱めて照射する必要があります。レーザーの出力が弱まるほど、照射しても破壊できない毛包が増えます。
「毛周期のため、レーザーが効かない毛包がある」「やけどや痛みを防ぐため、レーザー出力を抑える必要がある」という2つの理由から、1回で破壊できる毛包の割合は限られ、よくて2割程度と言われています。
したがって、つるつるにするには最低5回は照射が必要ということになります。
レーザーの効き具合は部位によって異なり、肌質などによる個人差もあるので、なかには5回未満でつるつるになるケースもあります。逆に、10回以上必要なケースもあります。
アンケート調査で見たように、3回でつるつるになるケースは少数です。
施術間隔が短すぎると効率が下がる
医療脱毛の施術を受けると、いったんはほぼすべての毛が抜けた状態になります。この抜けた毛のうち、永久脱毛できているのはよくて2割程度です。残りの部分は、再び毛が生えてくるのを待ってからレーザーを再照射しなければなりません。
効率よく脱毛するには、十分に毛が生えそろってからレーザーを照射することが重要です。施術の間隔が短すぎると、まだ無毛の毛包が多い状態で施術を受けることになるため、効く割合が少なくなり、結果として脱毛完了までの回数が増えてしまいます。
逆に、間隔を空けすぎると効果が悪くなるということはありません。施術回数を少なくしたければ、なるべく間隔を空けた方が無難です。ただし、間隔を空けすぎると脱毛完了までにかかる期間が長くなるので、希望に合わせて調整する必要があります。
日焼けしていると効果が下がる
レーザーは毛だけでなく肌にもある程度反応して熱を生じさせます。そのため、レーザーを照射した瞬間に肌に痛みが走ります。
肌の色が濃いほどレーザーの反応が高まり、痛みが強くなります。やけどするリスクも大きくなります。
そのため、日焼けしている肌には出力を下げて照射しなければならず、それによって脱毛の効果が低下し、結果として施術回数が増えてしまいます。
あまりにも黒く日焼けしている場合、施術を断られることもあります。
事前に毛を抜いていると効率が下がる
医療脱毛を受ける前に自己処理で毛を抜いていると、その部分にはレーザーが効かないので、脱毛の効率が低下し、完了までの回数が増えます。毛を剃るのは問題ありません。根元の毛が残っていればレーザーが効きます。
まとめ
医療脱毛レーザーの仕組みによる限界があるため、3回の施術で脱毛を完了することは困難で、つるつるの状態にするには最低でも5回の施術が必要になるのが一般的です。
今回紹介したアンケート調査の結果でも、3回でつるつるにできた人は少数で、しっかりと減毛効果を実感できた人も3割程度に過ぎません。
できるだけ照射回数を少なくするためには、日焼けや毛抜きによる自己処理を避け、適切な間隔を空けて施術を繰り返すことが重要です。それでも3回で脱毛を完了するのは難しい場合が多いでしょうが、脱毛の効率を高めて最終的な回数を少なくすることができます。